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更新日:2016年3月8日

平成28年度町長施政方針

平成28年度 奥多摩町長施政方針

(平成28年第1回奥多摩町議会定例会第1日:平成28年3月8日)

 

おはようございます。

平成28年第1回奥多摩町議会定例会の開会にあたり、新年度の町政に対する所信を申し述べ、町議会並びに町民皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

1 はじめに

平成28年は、私が町民の皆様方から再度負託を受け、平成24年5月に、3期目の町政を担うこととなってから、4年が経過する任期の締めくくりの年であります。この間、私が町長の重責を円滑に果たすことができましたのは、町民の皆様、そして、議員各位のご支援・ご協力の賜物であり、この場をお借りして、心から感謝申し上げる次第です。

さて、ここで3期12年間が終了するわけですが、私が任期中に心がけてきたことは、町民の皆様が町政に何を求めているのか、どういう考えを持っているのか、私自身の肌で感じ、この町で暮らしている皆様が安全で安心した生活をおくることができるよう、常にスピード感を持って、バランスの取れた行政運営と自助自立の町政運営を行なってまいりました。また、多くの町民皆様や関係団体などの参画をいただき、平成16年度に策定し、平成17年度からスタートいたしました第4期長期総合計画に基づきまちづくりを行ってまいりました。その、第4期長期総合計画も私の任期中である、平成26年度に終了したことから、平成27年4月からは、新たなまちづくりの指針として、第5期長期総合計画を多くの町民皆様や、関係団体のご協力をいただき策定したところであります。このまちづくりの指針で、町の最上位計画でもあります、長期総合計画を着実に推進するために、議員各位のご理解とご協力をはじめ、町民皆様との協働をいただきながら、「率先垂範、不偏不党の精神」をもって、この12年間、粉骨砕身邁進してまいりました。

この3期12年間を振り返ってみますと、私が就任以来、選挙公約でも掲げております第4期長期総合計画の5つの柱、1.生涯を健康で楽しく豊かにささえあうまちづくり、2.奥多摩○(まる)ごと元気、3.豊かな自然に育まれるまちづくり、4.体験と交流のまちづくり「どうよ山のくらし」5.自立してともに生きるまちづくりに沿った各種事業について推進してまいりましたので、私の思いを含め具体的に実績を説明させていただきます。

「生涯を健康で楽しく豊かにささえあうまちづくり」、健康・福祉分野では、急速に進む少子高齢化の対策を図るため、平成20年度に子ども・子育て支援推進条例を制定し、子ども・子育て支援推進事業など少子化対策を重点的に推進してまいりました。私は、この町の将来を担う子どもの支援を行うことは、高齢化対策や地域の活性化につながるとの思いから、重点的に施策を推進しております。子ども・子育て支援推進事業は、町独自の子育て支援策として、保育料の全額助成や小・中学校の給食費全額助成、中学生の制服等の全額助成、高校生の医療費全額助成及び通学費の全額助成、不妊検査、不妊治療及び不育治療の一部助成など15項目に及ぶものであり、この15項目は、国や都が実施していない、子育て支援事業で、町の単独事業として実施してまいりました。この子育て支援事業は、単純にお金のばらまきではなく、本当に支援を必要としている時期に義務を果たしている家庭に対し、必要な支援をその都度、子育て家庭に支援するもので、出産前から高校生まで、全ての子育て家庭が対象となる切れ目のない制度であります。

また、奥多摩町が誕生以来、子育て家庭より要望を受けておりました児童館につきましては、当町の実情を踏まえ、子ども達が安全に安心して遊べる施設として、平成23年4月に子ども家庭支援センターとして開設いたしました。この、子ども家庭支援センターは子ども・子育て家庭だけでなく、カフェも併設し、地域の町民皆様のふれあいの場としても活用できると同時に、役場の出張所を兼ね備えた、古里地域の行政の核としても機能をしております。

高齢福祉関係では、高齢者の方が安全に安心して住み慣れた地域で暮らせるように、特に介護予防に力を入れており、単に寿命を延伸するのではなく、健康寿命を延ばすための事業を推進してまいりました。また、緊急通報システムの設置、救急医療情報キットの支給、住宅改修給付、外出支援サービス事業などの事業に加え、高齢者見守り相談事業による相談や、戸別訪問を地域包括支援センターと連携し、きめ細やかに実施してまいりました。

地域包括支援センターは、平成18年度に保健センター内に設置したもので、各種相談事業や戸別訪問を行い、相談者の多様な状況に的確に対応し、適切な専門機関やサービスにつなげる「ワンストップセンター」として、町民皆様に適宜利用されております。

医療関係では、奥多摩病院は町の医療機関の核として、奥多摩病院改革プランに基づき、土曜外来診療や平日午後外来診療を拡充したほか、青梅総合病院との病々連携や平成26年度から、患者の利便性の向上を図るため、ワゴン車による送迎サービスも実施しております。

保健事業では、食育推進事業や先進的事業として、慶応義塾大学との共同事業として、平成20年度から、遠隔予防医療相談事業を実施し、10か所で延べ1,000人近い皆様の参加をいただき、生活習慣病の予防に努めてまいりました。

次に、「奥多摩○(まる)ごと元気」、生活・環境分野では、町民皆様の生活に欠かせない、上水道や下水道、ごみ処理関係につきまして、長年の悲願でありました、町営水道の都営一元化は、平成21年5月に当時の石原都知事と私自身が福祉会館におきまして、基本協定を締結し、平成22年度から都営水道に一元化されました。これにより、都営水道並みに施設を改善する経費など、後年に係る経費約68億円が軽減されると同時に、給水の安全・安定性が向上しました。

また、長年の懸案事項でありました、汚水処理事業につきましても、快適な生活環境の確保と、水道水源地として多摩川の水質保全に向けて、全町の水洗化を図るため、地域再生計画の認定を受け、市町村設置型合併処理浄化槽事業と公共下水道事業に着手いたしました。平成17年度に流域下水道の編入手続きが完了したことから、平成18年度から公共下水道事業に着手し、その後も順調に整備が進み、川井地区・大丹波地区・古里地区・棚沢地区の全部と氷川・海沢地区の一部が供用開始することができ、平成27年度には全ての幹線の敷設工事が終了いたします。

ごみ処理施設につきましては、現在のクリーンセンターの焼却炉の老朽化に伴う建替えや、最終処分場の問題などを解決するためには、新たな施設を整備する必要があり、これを建設した場合の試算では、約30億円以上を要すると試算されましたが、あきる野市・日の出町及び檜原村で組織する西秋川衛生組合に加入することにより、負担金7億6千万円で、この問題が解決できることから、西秋川衛生組合に加入し、約22億円の負担軽減が図られました。このように、都営水道一元化の実現と西秋川衛生組合に加入したことにより、今後発生すると見込まれていた約90億円に及ぶ膨大な歳出の削減と町民皆様の安全・安心を図ることができました。

また、公設斎場の整備の要望に応えるため、単独設置は困難であることから、秋川流域斎場組合を構成するあきる野市、日の出町、檜原村の同意や、日の出町の施設周辺自治会住民のご理解を得て、平成25年5月1日に正式加入することができました。これにより、個人の施設使用料も半額で済むこととなりました。

次に、「豊かな自然に育まれるまちづくり」、教育・文化分野では、過疎化の影響による少子化が進行するなか、様々な課題や不安が出てきたことから、教育委員会、学校関係者、保護者、地域関係者などと慎重に議論を重ねた結果、平成27年3月に古里中学校と氷川中学校を廃校し、新設校として「奥多摩中学校」を開設しました。これにより、従来の課題や不安を一掃することが図られたところであります。

また、奥多摩教育の充実を図るために、小・中学校の個性化を推進し、教育の活性化を図るため、町独自に補助金を設け、基礎学力を育む学校づくりや、特色ある学習の取り組み等の支援を行っております。

学校施設の関係では、小・中学校の耐震化工事や、教室の木質化工事を平成19年度から順次計画的に行い、児童・生徒の安全対策及び快適な教育環境づくりを図っております。

青少年の関係では、神津島との交流事業を始め、オーストラリアへの海外派遣事業やオーストリア・ウィーンへの海外音楽交流事業などを推進してまいりました。

次に「体験と交流のまちづくり、どうよ山のくらし」、観光・産業分野では、訪れる方の多様化するニーズに対応するための各種事業を展開しております。特に、観光の振興では、奥多摩観光の拠点施設である「鳩の巣荘」の老朽化が進んでおりましたので、平成25年度から建て替え工事に着手し、平成27年5月に「おくたまの風はとのす荘」として、グランドオープンすることができました。この「はとのす荘」はツインの客室をメインとし、各客室に設置する浴室は全て多摩川側に配置し、四季折々の景観が入浴しながら望めるのがセールスポイントとなっており、この「はとのす荘」が奥多摩観光の起爆剤となり、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに訪れる外国人旅行者などの受け皿としても期待をしております。

また、平成19年度から観光交流事業として、滞在型体験農園を核として、都市との交流を日帰り型からリピート、滞在型へと転換するグリーンツーリズム事業を展開し、雇用の創出や、経済効果の出現、遊休農地の解消を図りました。また、環境と自然資源を活かした観光の推進事業として着手した「森林セラピー事業」は、平成20年4月に、東京都で初となる基地認定を受け、平成21年4月に森林セラピー基地としてオープンし、各種事業を推進した結果、平成26年度末までに森林の癒しを求めて、多くの利用者が訪れ、その累計利用者数は、8,743人となりました。

次に、「自立してともに生きるまちづくり」、行財政分野では、私が町長に就任以来、行政改革大綱に基づき、継続して確実に行政改革を実施することにより、簡素で効率的な、身の丈に合った行政運営を進めてまいりました。特に、職員関係につきましては、第4期長期総合計画スタート時の平成17年度には142人いた職員を、平成26年度には126人とし、11パーセントの職員を削減し、概ね7億円程度の縮減を行いました。

財政関係では、平成17年度末に約41億円あった一般会計の起債は、平成27年度末には約24億8千万円と約16億2千万円減額し、実質公債費比率も17.0パーセントから6.3パーセントとマイナス10.7ポイントと、大きく改善しております。また、町の貯金であります基金の状況ですが、平成17年度の基金残高は、約13億円でしたが、平成27年度末の基金残高は、約32億4千万円と大幅に基金を積み上げ、約20億円の増額となりました。

次に、「奥多摩創造プロジェクト」、奥多摩創造プロジェクト関係では、過疎化による急速な少子高齢化に対応するため、奥多摩創造プロジェクトを設定し、その対策を推進してまいりました。このプロジェクトは、第4期長期総合計画の戦略的な取り組みとして、定住化対策、少子・高齢化対策を重点的に推進したものでございます。

特に定住化対策では、「奥多摩に住みたいが住む場所がない」、「相談する場所がない」という声に対し、新たに「定住応援総合相談窓口」を設置し、相談者に丁寧に説明するほか、町営若者住宅の整備、分譲地の整備、空家バンク・若者空家バンク事業、いなか暮らし支援住宅の推進や若者定住応援補助金事業の制度化を図りました。私は、若者が町に定住するためには、様々な事情や状況があると思いますので、多面的な検討を行い、町営若者住宅については、入居制限はありますが若者家庭が低廉な家賃で住めるように設定し、分譲地についても安価に設定いたしました。また、若者が定住する仕組みとして、若者世代が住宅を建てられるように、若者定住応援補助金制度を制定し、家の購入・改築などに200万円の補助や利子補給を行う事により、一人でも多くの若者世代が本町に暮らせるように支援してまいりました。

ただいま、私が町長に就任してからの第4期長期総合計画に係る主な成果と実施事業の概要を報告させていただきました。私たちが蒔いた種が、芽をだし、大きく、健やかに成長してまいりました。一番必要なことは、今後そのすこやかに成長した芽を枯らさずに大きく育てることであります。

私が町長に就任してからの3期目は、第4期長期総合計画が終了し、今まで培ってきましたものを更に将来へつなげる大事な時期でありました。そのようなことから、私自身が先頭に立ち、第4期長期総合計画を評価し、奥多摩町を取り巻く厳しい状況を把握し、町民皆様と協働し、今何が求められているのか、今何をすべきなのかという視点に立ち、第5期長期総合計画を町民皆様と策定してまいりました。第5期長期総合計画の各種施策は、これから、奥多摩町が成長する肥やしであり、また、大きな果実として収穫するまでの手段であると考えております。

そのような意味では、私たち職員自らが、第5期長期総合計画の基本構想の趣旨を十分理解し、町民皆様、職員がこの奥多摩町に「住みたい」、「住み続けたいと」思えるようなまちづくりを協働で行い、奥多摩に住みたい方を一人でも多く受け入れ、第5期長期総合計画の将来像「人 森林(もり) 清流 おくたま魅力発信!」~住みたい 住み続けたい みんなが支える癒しのまち 奥多摩~を実現するため各種施策を実施するものであります。特に、今喫緊に対応しなければならない課題は、高齢化率が48パーセントになり、約2人に1人が65歳以上であり、地域によっては子どもがいないという状況の中、町民皆様が安全に安心して暮らせる環境が当たり前になることです。

私は、高齢化対策や地域のコミュニティの活性化対策が非常に重要であり、一番の課題であると考えております。この高齢化対策をどのようにするかでございますが、高齢者を支える人材がいなければ、その地区の未来はありません、私は、高齢化対策や地域の活性化のポイントは人だと考えております。このような事からも、若者の定住化対策が今後も最重要課題であり、第5期長期総合計画では、奥多摩創造プロジェクトを引き続き奥多摩町の重点プロジェクトと位置付け、「定住化対策」と「少子化対策」を全庁あげて推進しているところであります。

特に、住みたい方が住めるようにと、現在総合相談窓口を設け、各種サービスの紹介や、「町営若者住宅」、「分譲地」、「いなか暮らし支援住宅」、「若者用空家バンク」等の整備、「若者定住応援補助金」の相談などを随時対応しております。また、町内での子育て環境は日本一と自負しておりますが、今ご説明した定住化対策の他、町の独自事業である子ども・子育て支援推進事業の15項目を引き続き継続するほか、母子保健事業や子ども家庭支援センター事業、奥多摩教育の充実を図り、町内の子育て家庭の安全・安心を図り、子ども達が健やかに育つまちづくりを総合的に推進してまいります。

このような事業を重点的に行うためにも、平成26年度には少子化・若者定住化担当主幹を配置してまいりましたが、今ご説明した若者定住化を一層推進するために、平成28年度より後程ご審議賜りますが、「若者定住化対策室」を設置し、ここを中心として全職員が一丸となり若者の定住対策を行います。また、昨年度から設置いたしました定住サポーターが自治会に出向き町民皆様と一体となり、更に奥多摩町の定住化対策を推進いたします。これは、繰り返しになりますが、高齢化対策や地域の活性化対策につながるものであり、非常に重要な施策と考えており、このような対策をすることが奥多摩町の高齢化対策、地域活性化対策につながり、地域の安全・安心に絶大な効果があるものと考えております。

次に、まち・ひと・しごと創生法に係る総合戦略関係でございますが、この総合戦略につきましては、議会最終日閉会後、全員協議会で詳細について、説明をさせていただきますが、概要について一言申し述べさせていただきます。この、まち・ひと・しごと創生法に基づき、国が定めた総合戦略においては、基本的な考え方や政策5原則として、自立性・将来性・地域性・直接性・結果重視が示されており、これを踏まえ町では、奥多摩町総合戦略として策定しております。総合戦略を策定するにあたり、推進組織として協議会を設置することが必要となっていることから、町民皆様をはじめ、産業界・行政関係・教育機関・労働団体・メディアなどいわゆる産官学金労言の参画が必要であるとのことから、当町においても各団体の代表者に参画をいただき、昨年9月より検討をいただいたところであります。その、推進協議会において、総合戦略の原案及び人口ビジョンの案が去る2月に私へ報告されました。これを踏まえ役場庁内で組織する奥多摩町総合戦略策定本部で最終的に決定いたしました。

この総合戦略では、国の政策5原則や目標を踏まえ、4つの基本目標を設定しております。基本目標1は、「奥多摩町の地域資源を最大限に活用し雇用に結び付ける」、基本目標2は、「奥多摩町に住みたい・住み続けたい人を積極的に受け入れる」、基本目標3は、「奥多摩町の定住環境を整え、結婚・出産・子育ての支援を行う」、基本目標4は、「奥多摩町こその魅力ある地域をつくり、安心・安全な生活空間を創出する」であり、第5期長期総合計画と連携し、推進することとしており、これら施策を実施することにより、平成60年の将来人口を2,060人と設定しており、国立社会保障・人口問題研究所の推計値1,282人に比較し、約770人増加することとしております。これは合計特殊出生率を目標年度には2.07に設定し、かつこれから5か年間で定住化対策を行う事により、将来人口を増加させるというものです。特に年少人口につきましては、目標年度の推計値55人から255人にするなど、人口構成比率の改善を目指すものであります。このように、早急に少子・高齢化対策に取り組まなければ、奥多摩町は大変なことになってしまいますので、まさにここが正念場であり、重要な時期であります。私は、今まで築き上げたものを基本に、今後も町民皆様の安全・安心を守るまちづくりを推進し、住みたい方が健康で安心して住める町を継続できるよう尽力する所存でございます。

 

2 町を取巻く国・都の行財政状況について

次に、国の動向でございますが、2月25日に政府から発表されました「月例経済報告」によりますと「景気は、このところ一部弱さも見られるが、穏やかな回復基調が続いている。」と報告され、さらに「個人消費は、総じてみれば底堅い動きとなっている。」、「雇用情勢は、改善している。」、「消費者物価は、穏やかに上昇している。」などと報告されており、さらに「先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、穏やかな回復に向かうことが期待される。ただし、海外経済で弱みが見られており、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。こうしたなかで、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動に留意する必要がある。」と報告されています。

また、政府は、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していく。このため、「経済財政運営と改革の基本方針2015」、「『日本再興戦略』改訂2015」、「規制改革実施計画」及び「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」を着実に実行し、「総合的なTPP関連政策大綱」、「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」、並びにこれらを踏まえた、平成27年度補正予算を迅速かつ着実に実施するとともに、平成28年度予算及び関連法案の早期成立に努める。これらにより、好調な企業収益を、投資の増加や賃上げ・雇用環境の更なる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環の更なる拡大を実現するとしております。

また、「政府は、1月22日に「平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」、2月5日に「産業競争力の強化に関する実行計画」2016年版が閣議決定されました。日本銀行は、1月29日、2パーセントの物価安定目標の実現のため、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入を決定しました。日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2パーセントの物価安定目標を実現することを期待するものであります。

次に、補正予算関係ですが、政府は、2月20日に総額、三兆三千二百十三億円の平成27度補正予算を成立させ、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策等に、一兆一千六百四十六億円を計上しました。

そのうち、アベノミクス第2の矢関連では、希望出生率1.8に向けた取り組みや、アベノミクス第3の矢関連では、「介護離職ゼロ」に向けた取り組みなどを計上しております。また、アベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障として、年金生活者等支援臨時給付金を計上しております。奥多摩町においても年金生活者等支援臨時給付金につきましては、給付に向け現在準備をしているところであります。

次に、国の平成28年度予算でありますが、高齢化で社会保障費が膨らみ、一般会計総額は九十六兆七千二百十八億円と平成27年度当初予算と比べ三千七百九十八億円、0.4パーセント増加し、4年連続で過去最大を更新しております。新規国債発行額は7年ぶりの低水準に抑えております。政策経費は七十三兆千九十七億円と過去最大で、医療、介護などの社会保障費も三十一兆九千七百三十八億円と過去最大を更新しております。ただし、診療報酬のマイナス改定などで平成27年度当初予算からは五千億円未満の伸びに抑え、今後3年間で自然増を一兆五千億円程度とする財政計画の抑制目標の範囲内に収めております。安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けた政策では、保育の受け皿や介護施設の拡充などに、約二兆四千億円を盛り込んでおります。また、公共事業費などはおおむね横ばいでありますが、地方交付税交付金は減額されております。税収は景気回復に伴う法人税収や所得税収などの伸びで、バブル期の平成3年度以来の高水準となる五十七兆六千四十億円を見込んでおります。基礎的財政収支の赤字は約十兆八千億円と、9年ぶりの低水準となり、新規の国債発行額は、三十四兆四千三百二十億円とし、27年度当初予算からは、約二兆四千億円減らし、歳入に占める国債の依存度は、2.7ポイント減の35.6%と、20年度以来の水準に改善されております。

次に、東京都関係ですが、東京都は1月15日に、2016年度予算原案を発表いたしました。平成28年度予算編成の基本的考え方は「世界一の都市」の実現に向けた取組を加速化・深化させ、力強く前進させる予算とし、一般会計は、七兆百十億円で、前年度比五百九十億円、0.8パーセントの増となりました。東京都の予算は4年連続で増加しており七兆円台は平成5年度以来23年ぶりとなります。特に、東京都長期ビジョンに掲げた施策に一兆二千四百六十八億円を計上し、五輪大会の成功と、その先のレガシー創出に向けた取り組み、都民生活の質の向上や経済成長を支える取り組みなどに重点投入されております。

歳入では、都税収入は、企業収益が堅調に推移したことから、前年度比3.7パーセント増の五兆二千八十三億円となり、5年連続の税収増となり、バブルが崩壊して以来初めてとなります。都債の発行額は前年度比マイナス21.4パーセントの三千五百三十三億円とし、将来世代の負担を考慮して発行額を抑制するとともに、今後の人口構造の変化や社会資本ストックの維持更新需要を見据え発行余力を残しています。起債依存度は、5.0パーセントで、前年度比1.5ポイント低下し、低い水準を維持しております。歳出では、公債費などを除く政策的経費の一般歳出は、前年度比4.8パーセントの五兆九百三十三億円となりました。予算編成で力を入れた部分について、舛添知事は、会見で五輪準備や観光、中小企業対策、社会保障などをあげております。また、長期ビジョンに掲げる事業に重点投資をしたことも来年度予算の特徴であります。

以上、これら東京都の歳出予算の中でも、とりわけ総務局が所管する市町村総合交付金は、平成27年度は四百八十三億円が交付され、平成28年度においては、さらに七億円が上積みされ、四百九十億円が計上されております。

しかしながら、原案では市町村総合交付金等は減額されておりましたので、東京都市長会長である羽村市の並木市長と町村会長であります私とで舛添知事あての要望書を秋山副知事に直接手渡し、「住民に身近な地方政府として暮らしに直結する喫緊の課題を真摯に対応してきたが、子育て支援や高齢者福祉施策などの更なる充実、地域経済の活性化に向けた取り組みの強化など行政ニーズはますます多様化し、増加の一途をたどっている」と説明し、また、「国の不合理な偏在是正措置など多摩地域の市町村財政を取り巻く環境はより一層厳しくなっており、健全な行政運営のための不断の努力も限界に達している」と訴えた結果、7億円の復活であり、制度創設以来11年連続して伸びているものです。

この市町村総合交付金は、本町の財政運営の根幹を支えるものであり、少子高齢化が進み税金などの収入の増加が見込めない本町にとっては、非常に重要なものでありますので、今後も東京都町村会などを通じ、強力に要望をしてまいりたいと考えております。

 

3 平成28年度町予算の基本的考え方

過疎化による少子高齢化が進行し、高齢化率が48パーセントを超えるなか、町財政における自主財源である税収は、平成19年度以降9年連続して減少する見込みであり、地方交付税についても地方自治体に配分される出口ベースで前年度より減額される見通しであること、積立基金については、これまで順調に伸びているものの、予定されている大型事業や下水道事業の起債に伴う本格的な償還を控え、平成28年度の財政状況も極めて厳しい状況下にあるといえます。

平成28年度は、第5期長期総合計画がスタートして2年目の重要な年であり、第5期長期総合計画の重点施策であります「奥多摩創造プロジェクト」を実施するため、限られた人・財源の中で創意工夫し、町民皆様が「何を望み」、「何を優先すべきか」を選択するため、従来実施してきた施策の評価を行い、個々の事業については毎年度の実施計画時に、費用対効果の面からも厳しい見直しを行い、歳出全般の効率化を図るとともに、予算の執行については関係法令等に則り、適正かつ迅速に行うことが必要であると考えています。

平成28年度予算は、以上の基本的考え方に立って、

(1) 社会経済情勢を見極め、限りある財源を計画的、重点的に配分して、町民福祉の増進と少子化・若者定住化対策をさらに推進し、個性的で活力のある地域社会を将来に亘って持続させるため、長期総合計画「おくたま魅力発信計画」の実現を目指します。

(2) 成果を重視した行政改革の推進、時代に対応した柔軟な行政組織と職員の育成並びに費用対効果を含めた事業全般の事後検証の強化と制度や事務事業の必要性や有益性を吟味し、必要な見直し・再構築を図るなど、身の丈にあった健全で堅実な行政運営を推進します。

この2つの基本的考えに沿って予算を編成いたしました。

歳入の主な構成ですが、都支出金が二十五億九千五百九十八万円、構成比率41.8パーセントで、前年度比3.6パーセントの増となっており、内水面漁業環境活用施設整備費補助金四千三百万円の増、観光施設整備等補助金千八百万円の増、市町村土木費補助金一千七百万円の増とそれぞれ増額となっており、都支出金全体では九千百万円の増額となっています。地方交付税は、十四億六千五百万円、構成比率23.6パーセントで前年度比0.3パーセントの減となっており、国予算の減額率を考慮し、五百万円を減額しております。町税が七億二千三百二十四万円構成比率11.6パーセントで前年比2.6パーセントの減となっており、前年度に比べ、法人税割、軽自動車税、鉱産税、入湯税は増額で見込んでいますが、その他の税目では、納税義務者及び所得の減、土地価格の下落や新規設備投資の減などにより、町税全体では、一千九百万円の減額となっています。全体では、このように本町の歳入の65パーセントを国の地方交付税と東京都の支出金で占めており、自主財源である町税の11.6パーセントを大きく超えております。

次に、歳出の主な構成ですが、土木費十二億二千七百九十二万円、構成比率19.7パーセントで前年比0.6パーセントの増となっており、都補助及び町単独道路新設改良事業が七千七百万円の増、棚沢地内若者住宅建設事業が七千百万円の増となっています。また、小丹波地内若者住宅建設事業は一億七千二百万円の減となっていますが、土木費全体では七百万円の増額となっています。

次に、民生費十一億四千五万円構成比率18.3パーセントで、前年比5.9パーセント増となっており、臨時福祉給付金事業一千八百万円の増、保育所措置費が一千六百万円の増となっています。また、少子化・定住化対策事業は、いなか暮らし支援住宅改修工事が一千万円の増や、若者定住応援補助金他助成金が一千四百万円の増があり、民生費全体では六千三百万円の増額となっています。

次に、総務費ですが、九億八百五十三万円、構成比14.6パーセントで、前年比3.0パーセントの増となっており、新規に災害対策用職員住宅長畑第2の建設事業が三千三百万円の増、各種システム更新・改修に係る電子計算開発費で、二千三百万円の増、町長及び参議院議員選挙費で一千八百万円の増があり、総務費全体で二千六百万円の増額となっています。

一般会計では、六十二億二千万円となり、昨年度より1億円減となりますが、3年連続で六十億円超の予算規模となりました。特別会計では、下水道整備事業が終了したことにより、前年から八億四千七百万円を減額し、四億七千四百万円となり、前年度比64.1パーセントの減となります。一般会計・特別会計・企業会計を合計しますと、前年度から9.1パーセント減の九十四億四千七百七十万円となり、前年比九億四千九百五十万円の減額となります。

 

4 平成28年度の主要な事業について

次に、「第5期奥多摩町長期総合計画」の施策の大綱に沿って、奥多摩町の平成28年度予算案で特に、重点としている施策や新規事業につきましてご説明いたします。

 

「第1章 みんなで支えるホットなまちづくり」として

○「誰もが元気で健康に暮らせる地域づくり」では、生涯を健康で暮らすためには疾病予防が重要なことから、保健推進活動事業、定期予防接種事業、各種検診事業、森林セラピー健康づくり事業等の他、新たに食育推進サポーターの会を設置し、各種食育推進事業を推進します。

○「安心して子どもを産み育てる地域づくり」では、私は、町民皆様が生涯を健康で安心して暮らせるため、出会い、結婚、出産、子育て・子育ちまでのきめ細やかな支援を一体的に行っています。このような観点から、当町では他の市町村よりも早く、不妊検査、不妊治療、不育症の治療などの助成制度を設けております。また、だれもが元気で健康で暮らせるための各種健診、健康づくり事業や、生涯生きがいを持って暮らせるための高齢者や、障害者の支援事業を率先して取り組んでおります。また、高齢化率が48パーセントを超え、超少子高齢化が進行し、地域によっては地域コミュニティの活力が低下するなど、問題も顕著化していることから、私は、少子化対策が高齢化対策になるとの思いから、子育て支援を充実するため、子ども・子育て支援推進事業の15項目である保育料の全額助成、小・中学生の給食費全額助成、高校生までの医療費全額助成、高校生の通学定期全額助成等を引き続き推進してまいります。

また、全国では児童虐待など悲惨な事例も多く聞きますが、私は、児童虐待を未然に防ぐためには、子育て家庭の保護者の相談・支援を行う事が重要であることから、子ども家庭支援センター事業をさらに充実し、「地域の子ども・子育て支援の充実」を目指すものであります。

○「高齢者が生きがいをもって暮らせる地域づくり」では、臨時福祉給付金事業や、低所得高齢者在宅生活支援事業を推進するほか、「奥多摩町高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画」を基本に、目標年度である平成37年を見据えて、奥多摩町の地域特性を踏まえた地域包括ケアシステムの構築を着実に進め、高齢者をはじめ、今後高齢期を迎える町民がいきいきと元気に暮らせるよう、生きがい・社会参加の促進、健康づくり、介護予防の推進を進めるとともに、安全・安心に暮らせるよう、地域福祉の推進や、介護保険事業の円滑な運営などを進め、様々な取り組みを計画的に進めてまいります。また、高齢者見守り相談事業、外出支援サービス事業などを推進し、高齢者が生きがいをもって安心して暮らせる地域づくりを推進します。

○「障害者が自立して生活できる地域づくり」では、新たに精神専門相談事業や、心の健康対策事業を推進するほか、「第4期奥多摩町障害福祉計画」に基づき、障がい者等の自己決定の尊重と意志決定の支援及び入所等から地域生活への移行等に関する事項について、目標を定めるとともに、サービス提供体制に関する必要量の見込み等を定め、共生社会の実現に向けて、地域の人々のニーズ等も踏まえながら、障害者福祉施策をよりいっそう推進していくものであります。また、相談体制の充実や町単独の福祉手当給付事業や障害者総合支援事業などを引き続き推進します。

○「心のぬくもりと絆を持ち続けられる地域づくり」では、町民との協働による地域の活性化を推進するために、町制施行60周年記念事業で決定した、奥多摩町イメージキャラクター「わさぴー」を今年2月に商標登録することができましたので、この4月より規定を設け、営利・非営利に関係なく事業者や地域などへ貸し出しを行い、積極的に「わさぴー」を活用し、地域の活性化につなげてまいります。また、高齢者・障害者が安全で快適な生活が送れるよう、だれもが安心して利用できる道路や施設等の基盤整備、町内の移動手段の確保など、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを推進するため、人にやさしい道づくり事業や福祉モノレールを推進します。また、地域で支え合いながら安心して暮らすことができるよう、地域における移動支援体制を構築するため、弾力的に活用できます「地域ささえあいボランティア事業」を更に普及啓発し、奥多摩型のきめの細かいサービスに努めてまいります。

 

「第2章 やさしさ ふれあい 人と自然」として

○「自然とともに歩むまちづくり」では、循環型社会形成を先導するまちづくりや、農作物も含めた生態系・生物多様性の確保を図るほか、社会基盤の維持・整備のために先進的な政策・事業展開とともに、本町ならではの環境を大切にし、自然と共に歩むまちづくりを町外に向けて発信します。

特に、森林の間伐事業を行う「多摩の森林再生事業」や枝打ち作業を行う「水の浸透を高める枝打ち事業」を充実し、それらを木質バイオマスとして活用し「奥多摩温泉もえぎの湯」の燃料とすることにより、木質資源の循環に寄与します。

下水道事業は、平成27年度をもって完了し計画した全ての地域が平成28年度から下水道の供用が開始され、これにより全町の汚水処理が公共下水道か市町村設置型合併処理浄化槽になりますので、各家庭1日でも早く接続することにより、水質等の保全が図られるものです。

機能的な道路の推進では、一付線、松葉穴沢線、白丸丸の内西線、南平熊沢線、坂下仲井戸線、高畑天神林線等の整備を実施します。

○「だれもが住みたくなる心かようまちづくり」では、今年で2年目となる元気なまちづくり推進事業を充実し、町民が主体となった活動の支援により、コミュニティの活性化や新たなまちづくり事業を推進します。また、地域の元気は、女性が活躍することが必要不可欠であることから、新たにワークライフバランスなどの普及啓発を行うために、男女共同参画社会講演会を計画しています。

次に、消防団については、団員数が減少する中、仕事などの関係で町外へ転出しても郷土愛の観点から引き続き団員として、自家用車などで訓練に参加していただくなど、献身的活動を続けている消防団員のために、報酬などを増額改定いたします。また、消防力の充実を図るため、防災行政無線のデジタル化や小型動力ポンプなど消防資機材の充実を図ります。

次に、現在問題が顕著化している空家対策ですが、空家対策は防犯・防火対策はもとより、その活用により地域を活性化させるものであり、早急に空家対策を行う事が、若者の定住対策につながるとの考えから平成27年度において町職員からなる定住サポーターを設置し、自治会と協働で空家の調査を行い、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の地方創生先行型の補助金を活用し、空家調査・活用システムを構築しましたので、今後そのシステムを基に、更に空家対策に力を入れてまいります。

 

「第3章 町の中と外から関心を持たれる教育のまちづくり」として

○「みんなでチャレンジする生涯学習のまちづくり」では、放課後子ども教室「チャレンジおくたま」を充実させ、放課後の子どもの居場所づくりと、指導者の生きがいづくりを推進していきます。

また、地域間の青少年等との交流やホームステイによる生活体験等をとおし、相互理解を深めるとともに、伝統・文化等を肌で感じ取り、広い視野を持った中学生及び高校生リーダーを育成するため、海外派遣事業や神津島洋上セミナーや海外音楽交流派遣事業を実施します。また、荒川区と奥多摩町の小学生の体験交流事業経費を新たに計上いたしました。

○「豊かな能力と強いこころを育むまちづくり」では、奥多摩の手厚い教育支援策などや質の高い奥多摩教育を、年4回発行の「奥多摩の教育」やホームページ等を活用し町内外へ発信していきます。

また、児童・生徒が充実した小・中学校生活を送れるよう、教育環境の充実を図るため、タブレット端末の整備等を図り、これまでのパソコン教室からタブレット端末に代えることで、小学校からの一体的なICT教育を更に推進してまいります。

また、平成22年度から、西多摩地域教員公募により奥多摩教育を理解し、意欲のある教員を確保し、時間外を含めた熱心な補習授業などで、特に、中学校では全国学力テストで、全国平均を大きく上回る結果となったことから、「基礎学力を育む学校づくり交付金」を更に増額し、特色ある教育活動を展開します。

○「誰もがスポーツ活動に参加するまちづくり」では、子どもの体力向上を図るため、平成27年度に導入した「ボッチャ」を中心に子どもたちが楽しんで参加できるスポーツ教室を開催いたします。また、今年度は町民体育祭の年となりますが、地域の実情などを考慮し、実行委員会で奥多摩町にあった体育祭を検討していただき、多くの町民皆様に楽しんで参加をいただけるようにしたいと考えています。

○「伝統と先進の文化・芸術にあふれたまちづくり」では、貴重な文化財の映像などを保存するために、初期に撮影したVHSテープの映像をデジタル化する経費を新たに計上いたしました。また、本町の伝統芸能を次代に確実に継承するため、文化財資料整備委託を実施し、指定文化財等整備事業補助金等を充実します。

また、各種団体の活動を支援し、併せて芸術家等と連携し芸術文化の振興を推進するため、奥多摩アートフェスティバル「おくてん」を推進いたします。

 

「第4章 みんなの力がつながる観光・産業づくり」として

○「町民が元気になる交流観光づくり」では、過疎化による少子高齢化が進行するなかで、観光客は年間170万人を超え、観光が及ぼす地域経済への波及効果は大きいことから、観光ビジョンが目指す「町民が楽しく暮らせるまち」を基本理念に観光づくりの推進を図ります。

奥多摩観光の動向ですが、近年では外国人観光客が増加していることから、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の地方創生先行型を活用し、町内5駅周辺にWIFI(ワイファイ)を設置しました。これは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みの一つであり、さらに、今後のインバウンド対応を図るため、観光案内所に英語対応スタッフを配置するために観光案内所の補助金を増額しました。

次に、奥多摩観光の拠点施設の「はとのす荘」につきましては、オープンして2年目となりますが、周辺地域と一体となった活性化が必要であることから、周辺整備も視野に入れた展開を図ってまいります。

また、多くの観光客が訪れる本町は自然環境にふさわしい清潔な印象をもたれるように、観光地で一番使用される観光施設であるトイレを「日本一きれいなトイレ」として、毎年継続的に整備をしており、大沢駐車場に新たに設置するほか、川井・鳩ノ巣・白丸駅トイレの機能アップのための改修工事を行います。

○「奥多摩ならではの地域産業の推進」では、本町の面積の94パーセントを占める森林ですが、産業構造の変化から林業の担い手がなく、手入れがいきとどかない山林もいまだ多くあることから、多摩の森林再生事業による間伐事業や、新たに始まる「水の浸透を高める枝打ち事業」、更には伐採された木材の有効利用を図るため、木質バイオマス利活用システムとして、木材の搬出を促進する「木質バイオマス推進事業」を充実し、木質資源の有効活用を図ってまいります。

また、地場産業の振興では、新たにワラビ栽培管理業務委託などを計上しております。その他、「わさび」、「奥多摩やまめ」などの振興の他、治助イモを特産品として流通できるように事業を推進し、今年度には多くの皆様に提供できるものと考えております。わさび栽培については、高齢化が進行し、遊休農地が増加している一方、新たにわさび栽培を希望する方がいることから、わさび田の現況調査を行い、今後計画的にわさび田の活用を図るように推進いたします。

さらに、ジビエ料理として期待される鹿肉についても、食肉加工施設を委託している一般社団法人小河内振興財団と一体となり、特産品として活用できるよう推進してまいります。また、このような特産品を奥多摩のイメージキャラクター「わさぴー」と連携し、奥多摩ブランドとして親しまれるように情報発信してまいります。

○「観光・産業づくりを推進する力の強化」では、観光・産業づくりの推進やイベントを実施するうえでは、関係団体などが連携することが必要不可欠であることから、一般社団法人奥多摩町観光協会を通じ、観光従事者の研修会や観光ガイドの活用・後継者の育成を図ってまいります。また、内水面漁業環境活用施設整備事業として、町内釣場のインバウンド対応策としてインフォメーションシステムの整備を行います。

 

「第5章 町民と行政がともに考え、ともに築く、住みよい・住みたいまちづくり」として

○「官民協働による定住対策とまちづくり」では、若者の定住化対策が高齢化対策や地域活性化対策につながることから、新たに「若者定住化対策室」を設置し、今まで以上に若者定住化対策に特化した施策を推進し、住みたい方が住めるようにマッチングするため、子育て支援・定住応援総合窓口を充実いたします。また、平成28年度には小丹波地内に「町営若者住宅」を3棟4戸、棚沢地内に1棟3戸を建設し、合計4棟7戸を整備する予定であります。

この他に、空家を活用した「いなか暮らし支援住宅」の事業も引き続き推進してまいりますが、この「いなか暮らし支援住宅」は、空家の所有者のご理解、地域住民皆様のご理解がないと推進することが難しいことから、「奥多摩町空家等活用促進事業交付金」を制度化し、空家が活用しやすい状況をつくりました。また、地域住民皆様と協働して定住化が推進できるように、定住サポーターを更に充実し、職員と町民皆様、自治会とで連携し空家対策を講じ、定住対策を重点的に図ります。また、計画的な土地利用が図れるため、引き続き地籍調査を推進します。

次に、町民と職員のパートナーシップの増進をするため、「元気なまちづくり委員会」を中心に、町民皆様が自由闊達な発想で企画提案できる仕組みをつくり、町民皆様のまちづくりへの参画を促進します。

○「成果を重視した行政改革の推進」では、第4次行政改革大綱に基づき、この大綱のキャッチフレーズ「量から質への転換を目指した「しごと・ひと・しくみ」の改革」を推進すると同時に、職員全員が知恵も絞り、町民皆様が求める行財政サービスを充実できるように取り組んでまいります。しかしながら、全国的な、少子高齢化を迎え、人口減・高齢化により町税収入等が期待しにくい中、社会保障費や、庁舎をはじめ各種施設の老朽化による新たな需要など歳出増が避けられない状況でありますが、少子化・若者定住化対策を重点的に講じることにより、生産年齢人口が増加し、税収の増、地域の安全・安心が図られるものと確信しています。

○「身の丈にあった健全な財政運営の推進」では、厳しい財政状況を踏まえ、計画的かつ効果的に事業を推進するとともに、毎年各種事業を見直し、自主財源の確保や事業の費用対効果を勘案した財政運営に取り組むため、財政フレームを見越した計画づくりを実施いたします。そのため、庁舎建設基金などを始め、計画的に基金を積み立てていきます。また、新たな財源とし、さらに「ふるさと納税制度」のピーアール促進を図ってまいります。

 

5 第1回奥多摩町議会定例会提出案件について

平成28年第1回町議会定例会に提案します案件については、専決処分の承認1件、条例の一部を改正する条例21件、規約の一部を改正する規約2件、訴えの提起1件、町道路線の認定1件、工事案件5件、平成27年度の一般会計、特別会計、企業会計の最終補正予算案8件、平成28年度の一般会計、特別会計、企業会計、全8会計の当初予算案8件でございます。

以上、47件と大変多くの案件となっております。これら具体的な議案の内容につきましては、副町長をはじめ所管の課長からご説明をさせていただきますが、いずれの議案につきましても、町の事務事業を執行していく上、必要不可欠のものでありますので、ご決定くださいますようお願い申し上げます。

 

6 おわりに

冒頭で申し上げましたが、多くの町民皆様から負託を受け、3期12年間、町政運営に全力投球してまいりました。

この3期12年間では、一つの節目であります第4期長期総合計画が完了し、その計画に記載しておりました重要な事業は概ね達成できたものと考えております。私は、町長になってから常に考えてきたことは、町民皆様の目線に立ち、常に町民感覚で、スピード感をもって、バランスのとれた行政運営と自助自立の町政運営を行ってまいりました。第4期長期総合計画では、奥多摩町の魅力を高めるためには、都市部に負けないインフラ整備をすることが必要であることから、この豊かな自然環境を破壊せず、共存したインフラ整備をしてまいりました。

その結果、生活環境施設として、生活の根幹であります上水道の都営水道一元化、下水道の整備、クリーンセンターの廃止など、保健福祉施設として、子ども家庭支援センター、障害者地域活動支援センターなど、教育文化施設として、給食センター、小・中学校の木質化など、観光産業施設として、はとのす荘の改築をはじめ、おくたま海沢ふれあい農園、森林セラピー基地ロード、食肉処理加工施設、もえぎの湯木質バイオマスボイラー施設など、定住化対策では、町営若者住宅やいなか暮らし支援住宅など奥多摩町に調和した施設整備を推進いたしました。

このような整備事業だけでなく、この町の将来を担う子どものために、奥多摩教育の充実や子育て支援策を重点的に進め、日本一の子育て支援策を推進してきたと自負しております。

私は、この奥多摩町には未来に誇れる財産が多くあると考えております。それは、奥多摩町に暮らす住民皆様、すなわち「ひと」であり、水の源となる「森林(もり)」であり、地域の「絆」であります。これらは、都市部にはない奥多摩が持っているポテンシャルでございます。これらを活用することにより、奥多摩町の経済が良い方向に動いていくと確信しております。これからは、この豊かな自然環境と共存し、この自然と今まで築きあげてまいりました文化・施設などを奥多摩町の資本とし、町民皆様と一緒になり、奥多摩型の経済循環を築き上げていくため、第5期長期総合計画の将来像「人 森林(もり) 清流 おくたま魅力発信!」~住みたい 住み続けたい みんなが支える癒しのまち 奥多摩~を実現するためこれまで以上にこれからも粉骨砕身、全力で邁進していく覚悟であります。

議員各位並びに町民皆様方の、より一層のご支援、ご協力を心からお願い申し上げまして、平成28年第1回奥多摩町議会定例会の開会にあたっての、私の施政方針とさせていただきます。

 

(なお、本文の内容は、表現等一部異なる場合がありますので、ご了承ください。)

 

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